【韓国文化】韓国の育児は日本とどう違う?

生活文化・風習

子供の誕生の喜びを噛みしめる傍ら待ち構えているのが育児です。

妊娠時から心の準備はしているものの、一人の人間としての人格の持ち主である赤ちゃんとのこれからの時間、しつけ、教育をしていくことは、決して生ぬるいことではありません。
どのように取り組んでいけばいいのでしょうか?

韓国は、受験戦争が知られている通り、子供への教育に非常に熱いお国柄です。

親はもちろんのこと、社会全体で育児がサポートされていることも、日本とはかなり違うことを感じています。

今日は、韓国の育児は日本とどう違うのか、育児方法教育観について、ご紹介します。

妊娠前・妊娠がわかった時から育児が始まる韓国

その1 地域の官公庁で行う勉強会へ積極的な参加

その2 ベビーフェアの展示会へ積極的な参加

韓国では妊娠・出産ママのための「ベビーフェア」という展示会が全国展開で頻繁に開催されています。妊娠期に必要なもの、出産後に必要なもの、ベビー用品など様々なメーカーが参加して自社製品の紹介と直接の販売をしています。

参加無料であるため、購入目的でなくても参加して見るだけで多くの情報収集をすることが出来ます。妊婦さん一人参加もあれば、夫婦、お母さん、姉妹、親戚同士で参加したり、出産後に赤ちゃんを連れて参加するほど、人気のある展示会となっています。

ベビー用品の物販を通して知りえたお気に入りのお店は、その後ネット通販やインスタを通した継続購入につながるので参加メーカーや個人としてもユーザー確保のしやすい場となっています。ちなみに、この展示会でもっとも熱の熱い場所が「知育教材」です。0歳からはじめる知育教材メーカーは多数ありますが、説明を聞くために長蛇の列をなしていることがほとんどです。韓国人の教育熱を感じますね。

その3  産後調理院の資料集めと、積極的な見学と勉強会へ参加

その4 教育教材資料をあつめ、徹底した見学と説明会へ参加

その5 妊産婦のコミュニティ選びと集会へ積極的な参加

その6 育児用品を譲ってもらえる方を積極的に探す、紹介してもらう

いよいよ、始まる育児、子育て…

ご存知でしょうか、「育児」「子育て」の言葉の意味はことなります。
「育児」とは、乳児や幼児を育てることをいい、「子育て」とは、子を育てることをいいます。
育児は0~6歳までの乳幼児未就学児を育てること、子育てとは回年が広くて、対象とする子供については、年齢制限は特に設けられていないということです。一般的には、まだ一人前になっていない人間、対象者が自立するまでの幅広い期間を「子」と呼ぶことが多いことです。

いよいよ、育児、子供が生まれたら年中無休の子育てのはじまりです。

育児を通して親になる

韓国でいう訓育とは…

日本には聞き慣れない言葉ですが 「訓育」という言葉があります。「訓育」とは、一人の人間が自分以外の人、人々との団体生活、社会生活の適応に要請される様々な望ましい習慣を形成、ルール違反のような望ましくない行為を矯正することの意味をもっています。

ひと言でいうなら、規則に沿った、事前に決めたルールを守る行動ができるように訓練をすることです。韓国では、妊娠時から国をあげて訓育をしていますが、一人の人間を上手に育て上げるにはノウハウが必要です。国のカリキュラム、社会の支援、自ら何ができるかを模索しつつ、尽きない努力が必要です。

だだをこねる乳幼児をその都度どう教えるか?

韓国育児では一般的にに出てくる言葉です。人と共に生きるために必要な日常的な基本トレーニングに近いことから始めますが、いくつになってもできるまで教える軸は下記の通りです。

  • 幼い頃から慣れやすいことを習慣化していくことを教えること
  • 教えの基準は明確に決め、子育てをする者が先に遵守してから教えること
    (その1:法にふれる、絶対やってほしくないことは最初からやらせない
     その2:道徳的に、他人に被害や迷惑になることは最初からやらせない )
  • はっきりと簡潔に伝え、できるまで反復する
  • ルールを守れた時には大いに認めてその行為を褒める
  • 乳幼児時から子供にうそを付けないこと
  • 大人の話は人や時を問わずバラバラではなく、一貫性をもつこと
  • まだ小さいからと、ごまかさないこと
  • 内緒話をしない
  • 何々したら何々してあげるの約束や条件付きをしない

韓国では親だけではなく、周囲の方も参加して共に注意をして子育てに参加してくれます。我が子が注意をされたからといい、自分が注意されたかのように気分悪いと思う部分は大きいと思いますが、そこら辺をグッと我慢して子供のしつけに必要か不要かを考えておくことです。親以外の方が注意してくれることが案外ありがたいことで、効き目がよかったりするからです。自分の線で効き目がないような時の他力は大きい効果をえられますので、他人に注意してもらうのもひとつの方法です。

育児に専念してと言われるが…いつからいつまでのこと?

「三つ子の魂百まで」の意味

「三つ子の魂百まで」ということわざがあります。幼い頃に形成された性格や気質は百歳になっても変わらない、変えようがないと意味です。3歳までの育児方法によってその一人の人格が形成されることであり、重要性が非常に高いとのことです。

今は医学発達によって人生百歳と言われている中、たかが3年です。専念できればその後の子育ては楽になりますが、その時期を逃すと一生苦労すると言われています。
だから、妊娠計画をする時から0歳児から3歳児まで保育の期間を確保して計画をたてることです。

「勉強の頭」は三歳までで決まるとの意味

子供が生まれたら、いい教育を受けさせ、いい職業に就かせ、いい人生であってほしい…と念願に思いはじめ、幼稚園はここ、小学校はあそこ、中学校は…高校は、大学はと、親が決めたくなります。生きるために頭脳が必要であり、「生きること=頭脳戦」と言っても過言ではないほど、頭脳は一生を左右します。

まずは、親の希望の職業を叶えるためには高等教育を受けなければなりません。その高等教育をうけさせるために奮闘するのも親ですが、その基本は妊娠前から3歳までで決まるとのことです。後から時間をかけて学習しても結果は努力ほどついてこなく、いまいちになるとのことで、今は三歳まで学習する習慣と勉学の楽しさを身に着けさせる知育の大切な時間だということです。

「石の上にも三年」といく時間の意味

石の上にも三年ということわざ…
石の上でも3年続けてすわれば暖まるとの意味で、辛抱すれば必ずいい結果があるということだということは誰でも知っていることです。子育ても3年間、三歳までという時間をどうすごすか?一人の人間の基本を重んじ隙間ない育児、子育てに充実すれば人間の基本の骨組み、骨格はできあがるとのことで、その後の肉づけには苦労しないとのことです。

0歳児からよき習慣づけ、訓育は何からしたほうがいい?

駄々をこねるのは当たり前のこと

生後2~3か月頃から

第一、睡眠法から教えます。
赤ちゃんは睡眠習慣がついてないため、いつ寝ていつ起きるのかがわからない状態であり、眠れないから起きています。真夜中に赤ちゃんがぐずって大人を寝かせてくれないことがないように正しい睡眠法で習慣をつけることです。

  • 寝る前に行うルールを決めて睡眠前には継続してを行うこと
  • 睡眠を誘導する音楽、リラクゼーション効果のある音楽、本を読むこと
  • 赤ちゃんが寝付いた後の30分間は読み聞かせると脳の発達が良いのと情緒安定を計らう
  • 一日の中でお昼ごろには赤ちゃんの睡眠時に親も一緒に睡眠をとること
  • 大人が自声で歌うのも良し
  • ラジオを聞かせるのも良し

いくつかの例をあげましたが、自己流で良いです。睡眠不足になると育児を楽しめず赤ちゃんにお母さんの心理的不安要素が伝わる可能性があるので、怒らず、イライラしない育児のための必須条件です。

生後7~8か月頃から

節制から教えます。
この頃になると自我が出てどれがいい、わるいがわからず、泣いたら解決出来ることだと思うことから始まります。抱っこ、おんぶ、遊んであげる、寝る時間などの時間を決めて行うことです。ちょうだいといえばあげるのではなく、時間になったら与えることで節制を教えるのはこの時期です。

生後一年頃から

日常生活の基本ルールを教えます。
相手の表情を読めるようになります。決めたルールを守ったら、その行動に対し関心を示し認め褒める。ルールを守らなかったら、子供の行動に関心を示さないことです。守らなかった行為に対して繰り返し反復して大人が関心をしめさないことで、これはいけないことなんだということを子ども自身に認識させることが目的です。

訓育は歩き始め走り出したら…

危険性を教えます、本格的な訓育はこの時期からです。
危ないことを知らずに取り掛かるので、一時も目を離せません。この時期にはどのようなことが危険であるかをしっかり教えていくことが目的です。

育児、前もってプランを立てて取り組んで

自分の時間って、そもそもなんでしょうか。育児が始まったばかりに自分の時間が必要気分転換ということで子供をおいて出掛ける方がいますが、子供と一緒に居られる時間が自分にとってかけがえのない大切な時間になるはずだということ、どこかで忘れかけていませんか? 別人格ではありますが、3歳までは同身体、同心体で別々ではありません。育児を後手後手にならないよう、3年間でしっかり訓育する予定を立ててください。

正しい情報が育児の良きパートナー

今の時世、どこからも入る、拡散される情報が氾濫しています。ネット、メディア、人々の話からでもですが、その中からどれを選択してどれを捨てるかの叡智が必要となります。官公庁での発信、教育機関、幼児教育に関わる教材の比較、我が子に必要な情報の取捨選択、取り入れは親の仕事です。
親こそ、正しい情報に触れることを最優先にできるようにつとめたいものです。

一度決めたルールは軌道修正しない

子供に何度いってもわからないのよ、とつぶやいていませんか?何度言っても分からない、とは伝わっていないからです。小さい頃からルールを決め、そのルールを守らせることから始めることです。今日はいいよとか、今回はいいよと時と場合によってコロコロ変更しないで家族で決めてある規則は一貫することです。決め基準は危険性、悪心、悪意、怠慢、不潔、暴力、暴言、基本エチケットなどなどです。

子育ては理想ではなく現実そのもの

時折、こんなはずじゃなかったということの呟きを聞くことがあります。理想と現実の差を語っているのだと思いますが、今が幸せじゃないということを遠まわしにして言っているのです。子供は無邪気に可愛いものだと、我が子は可愛いだろうという理想が現実に変わることを知る時がやってきたのですが、子育てのつらさ、大変さを含めて子育てです。理想と現実と地球の裏と表、北極と南極の違いで親心が通じないのが子育てです。妊娠計画の時から念頭に置いて現実性を把握しておくことが必要です。

子供の気質を尊重

よく聞く話ですが…
言わなくても判る子供、言って判る子供、言っても判らない子供がいます。
話せば解る子供、諭されて解判る子供、叩かれても分からない子供がいると言われます。

自分の子供はどちらに属性があるのかを把握するのも親の課題です。だからと言い、叩いてよいという意味ではありません。自ら進んで行う子供と、言われて行う子供と、がみがみ言われても行わない子供がいるとしたらあなたはどうしますか?ということです、極端にいえば叩いてもダメな子供もいます。

子育てにつまづいたら、夫婦だけで解決できないここともあります。親子だけではなく、祖父祖母、兄弟、専門家など第三者の加入などを踏まえ、日々改善点を見つけながら、子供の気質を尊重して望ましい育児、子育てにかかわることです。子育てに定石はないからです。

韓国の子育ての特徴…

韓国では、一般的に祖父祖母が子育てに積極的な参加をしています。それは今更ではなく、昔からです。基本的に子育て、人生をよくするためならどんなことでも…、学歴のことならどんなことでも受け入れる態勢である国民性が活かされ、我が子を育てたように、それ以上に教育パパママになっているので、韓国語の祖父祖母の尊称であるハラボジ(祖父)とハルモニ(祖母)から共通語一文字をとり、ハルとパパのパを合成してハルパハルとママのマを合成してハルマと呼び、孫育てに先導しています。

祖父・祖母だけではなく、両親の兄弟、近くにいる親戚、近所の方々にも協力を得ながら子育てしています。時折のことですが、電車に乗ると子育てに干渉してくる方もいるほどですから、初めての場面では驚かされたりするようですが、干渉ではなく関心であり、老婆心からきているので聞いておくと無駄にはならないということも心得ています。

祖父祖母、兄弟の協力を得たくても遠く離れて暮らすことになると夫婦二人三脚、他人を依存しなければなりません。その時に関わる方が子供の人格形成に与える影響は少なくないことも知ることです。
道しるべを知り人生という長い道のりを歩きたいものです。

父親の子育て

育児とは母親や父親に限ったことではなく、どちらかに偏ることなく育児と子育ては夫婦分担で行うことです。好きな相手と夢を描いて結婚して念願の赤ちゃんを授かり育児と子育ての始まりでモヤモヤして喧嘩が多くなる始末ですが、育児は母親がメインであると思いこみがあることに原因があります。何事も折半するということを文字化して書き残し認識した生活から始めることです。

文字化して書き残していることから責任感が偏ることなく、二人の共同責任であること、夫は外で仕事、妻は家を守るという概念が解放され、お互いがお互いの協力要員になるということです。
我が子への愛情の大きさは同じですから…

育メンの現実

最愛の我が子へ最愛の親になる

子供は人間です、生命体であるので私物化したりしてはなりません。人間は保育や養育をするのであって飼育になってはならないのです。母になる者、父になる者とは…、愛のある育児、望ましいい子育てを通して感情に支配されることなく、それからは出来が良くても悪くても我が子を守り、大事に出来る無条件の愛から育児、子育てが始まります。私たちもそう望んできたかのように…

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