【韓国文化】大学修学能力試験にまつわる、合格祈願餅!

韓国の生活文化
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日本では、受験はあくまで本人とその家族のライフイベントであり、合格祈願のお守りやキットカット(キット受かる)、カール(受かる)などの受験願掛けグッズを身近な人が渡すくらいの事柄ですが、受験戦争地と言われている韓国では、大学入試受験生に対する応援は国民全体的と言われるほど熱い反面想定以上に過酷と言われています。餅なしでは語れない、そのイベントとはどのようなものか、ご紹介します。

大学へ進学するなら絶対的登竜門「修能試験」

受験日の当日、応援の先輩後輩、試験前に感謝のお辞儀、パトカー

韓国では大学入学のために修学能力の有無を裁かれる試験があります。
日本でいうセンター試験に等しいですが、その熱さが世界でも知られているるほど、一国の行事になっております。受験とは受験生が受けるものであり、その家族や先生、周囲が協力するものであり、社会全体でサポート、色々な団体がサポーターになる光景は実に見ものであります。

なぜなら、韓国では大学に進学するための登竜門は「就学試験」しかないからです。日本のように私立大学で自己推薦は学校推薦、AO入試などの他試験は基本的にありません。これしか進学の道がないのです。

日本の大学入学試験同様に合格カットラインがありますので、落ちたら希望大学へ入学できないのは勿論のことですが、日本のように私立の別日の試験を受ける、滑り止めをふやすという選択余地はありません。修学能力試験に落ちたら浪人か、専門学校の試験を受けるしか道がないのです。

就能試験で全国の受験生が同日に試験を受け、そこで合格カットラインを超える、かつ、その偏差値をもって希望大学へエントリーをするというシステムになっています。いわば、泣いても笑っても一発勝負です。

そのため、韓国では、大学に無事入学できる前までは、家族一丸となって「修学能力試験で良い成績を取得して念願の大学に入学する」ということが、基本的な人生の目標であると言っても過言ではありません。
そのため、物心つく頃からすべて後回しで、一寸たりとも緩むことなく勉学を優先にして励み、 努力してきた全時間をこの1日ですべてを吐き出すのです、その一日に。その重さの比重だけに、本人の心も重たいですが、当然支えてきた家族、見守ってきた周囲の人々が皆緊張する日となります。

ちなみに、この試験の名を「修能試験(スヌンシホム)」といい、略して수능(スヌン)と人々はいいます。韓国で学業を営めば、誰にも同じ状況となるため、この試験前までは社会が寛大に見てくれる傾向があり、若者らはそれに存分に甘えさせてもらい、甘えられるのが韓国社会の特徴なのです。

修学試験の元は韓国の歴史にあり

朝鮮時代の科挙制度

科挙制度の影響

韓国は昔、古くは新羅時代から科挙制度が導入されていました。 いわば、能力により官僚を選ぶ国家試験です。3年に一度試験があり、文科、武科、雑科と分類がありましたが、儒教の経典に理解が深く熟知して才能がある方を人材として選抜していました。

この試験から出題志向の試験を重んじていたことが成績中心の現代社会の学閥主義と考試主義が韓国の教育を支配する原因であるとの話があります。

また、この試験のすばらしいところは、身分差があった時代に賤民であっても試験に合格すれば身分を変えることができたということでした。この試験制度をきっかけに、一生賤民でいきるなら学問に打ち込み頑張って身分を変えたい民が現れ続け、その民心が「修学試験」に受け継がれていると考えられます。

韓国人の勉学に対する意識

また、韓国には昔から身分を示す両班ヤンバン制度がありました。両バンには「文官」「武官」の2種類があり、学問を修める「文官」の地位は「武官」より高く、未だに「武より文」を重んじる社会の習性が続いています。

その表れとして、韓国の学習方法では、小さい頃から繰り返しの学習をさせ、試験には必ず論述問題が出題されています。韓国人は小さい頃から論述をすることに慣れており形而上学的な部分が優先する傾向があります。そのため、文学や哲学を論じるほうが有識者である、有識者でありたいと思うのが基本的な人々の意識です。

だから、下手すればちょっとしたことで「あの人は、無識者だ」と言われることを非常に恐れ(韓国では思ったことを悪意なくストレートに相手に伝えるので)、そう言われないための行いや発言を心掛け、人に注意されないよう日々社会の動向には敏感だと思います。今やITのこともあってその思想も薄まってまいりましたが、基本の底は変わらないです。

このような背景から現社会でも我が子を「文」つまり学者にしようとする意識は誰にもあって、その一歩である学問、勉強に対する思い入れが程度を超え親を犠牲にしてまでもいい大学に入ることが一家の目標になっていたりします。

やるべきことをしっかり続けていれば結果はついてくるもの、必ず人生を変えることが出来ると誰もが確信しています。

日本大学受験と違うところは?

大学進学率

韓国の場合、普通科高校生は大部分大学へ進学します。2019年度日本の大学の進学率は55%だったのに対して韓国の大学進学率は78%でした。

日本同様に専門学校はありますが、修学試験で合格カットラインに達せなかった人がいくものという認識がありますので、積極的に進学するところではないようです。

大卒は当然であるという見方をする傾向が強く、大学を出ているか否かはその後の結婚の条件にも大きく影響してきます。恋愛結婚であったとしても、お見合い結婚であったとしても、相手の親にとって、大卒者か否かという点は大きな条件のひとつとなっているからです。

そのため、国内受験で見込みがなさそうであれば、早めに手を打ち、日本の大学へ進学させる、もしくはアメリカやオーストラリアなどの英語圏の大学へ進学をさせる、最近は今後を見通して中国へ進学させる親も多くいます。

それが当時は流行でもありましたが、結局のところ、海外で大学を卒業後、韓国に帰国しても国内大学卒業者には勝てない後ろめたさがあり、就職がうまくいかない人も多くいるようです。また、バイトに明け暮れたり、麻薬など予期せぬ道へと悪影響を受けてしまう学生も多く、社会問題になりました。

その結果、やはり国内の大学を進学すべきであるという考えに国民の考えは戻っているようです。

受験時期

韓国は3月が始業となります。そのため、修能試験は毎年10月に行われます。試験終了後から3月の入学までは実に4ヶ月ほど自由時間となるため、思い思いにすごしているようです。

今まで出来なかった趣味に没頭したり、バイトを始めてみたり、スポーツをしてみたり、海外へ行ってみたり、友達と遊んだり、ダイエットに取り組んだり…さまざまなようです。

受験場所と受験日の朝

日本のセンター試験は、学校の区域別に指定された大学の講義室等で行われますが、韓国は高校の校舎で行われます。 そのため、修学試験の朝は学校の門の前に親、後輩、学校の先生などなど、受験生を知る人々は大いに集まってエールを送ります。

具体的には、受験生にエールを送るために叫び、太鼓を叩く後輩たち。学校へ入る様子を後ろから見つめ手を振りながら号泣する親たち。遅刻しそうな学生を送り届ける白バイやパトカー。とにかくにぎやかな朝です。

そればかりか、受験日当日は、登校前に当日まで支えてくれた両親や祖父母に伝統礼をすることが恒例となっています。無事に受験日を迎えられたことへの感謝、今日まで支えてくれたことへの感謝、受験をがんばってきますという意気込みの表しです。

学校が受験塾

高校生になれば受験のために学校にて受験勉強をしてます。そのために、持参するお弁当は3つです。

朝6時には登校して学校で朝ごはん、お昼、夕方のお弁当を食べてから、そこからまた勉強が始まり夜の11時を回ってから家に帰ります。そのため、家はほぼ就寝のために帰るようなもので、そのような生活を3年間強いられます。 そのため、学校には先生が交代で学生らと生活を共にしています。

韓国国民もこの受験システムをつらいと吐きますが、そう思いつつも真っ向から向かい合い、全身全霊で取り組んでいるのが現状です。なぜでしょうか?

それは韓国は学歴社会だからです。現代社会に照らせば、学歴社会の中で高卒で社会に出て生活していくのは、大変な立場になることは苦労が目に見えています。そのことを先に読み取り、若いうちに苦労をしてでもいい大学に入り、いい会社に就職することが、よくよくはいい人生になるだろうと考える人々が日本よりはるかに多いのです。そのため、この試験に臨む姿勢はまるで崖っぷちに立たされた状態であり、人生を左右する大きな転換期そのものになります。

そのため、世界中どこも進学試験はありますが、韓国は中でも過酷、地獄ともいわれています。希望の大学へ入学できればいきなり地獄から天国だと言われますが…人間万事塞翁が馬です。

親の協力体制

日本では、高卒だって、短大だって、専門学校だって大卒に限らなくても立派に仕事をしていけるんだという意識があるため、大卒が絶対条件ではない風潮があります。

韓国ではそもそも張本人はもちろんのこと、親世代、そのうえの世代も含めて社会全体が大卒は絶対条件であるという同じ方向に考えているので、受験生の両親はもちろん、兄弟、同居していれば祖父母、親戚まで、限りを超えてワンチームになってサポートをします。

例えば、登下校の車での送り迎えは当然のこと、受験勉強中は一切テレビをつけない、お風呂や食事の時間は受験生が優先、騒音を立てないように早めに寝る、時間がないので手が回らない宿題や勉強のまとめなどは親がやるなどなど、その内容は実に家庭ごとに異なりますが、完全に受験生中心の生活、受験生の受験を支えるベースを作るのも親の役割です。

それに文句いう人はいません。なぜなら、その子の受験結果は家系の繁栄となるからです。ソウル大学に入学できれば、その後の安定した就職も確約されたようなもの。子供が安定した就職が出来れば、同じレベルの相手といい結婚が出来、いい結婚が出来れば、いい子供が生まれ、その子も、その親も、その家系自体が安泰であるとなるわけです。そのため、どこの家の親も子供が生まれる前から学習に対しては徹底しています。

大学修学能力試験に餅が大量に売れる?!

ペタペタくっついでおいでとの色々な餅

受験とお餅の関係性

餅米の成分的にペタペタしてくっつくので、希望の大学にくっついてね!と、いう意味で必ず試験当日、前日、間近になると周囲から贈ってもらえます。

家族からは勿論のことですが、近くの知り合い、近隣住民、親や兄弟の知人、友人、会社の同僚、先輩後輩、いつも行っている素材屋さん、パン屋さん、キムチ屋さんクリーニングやさんがどこの家の誰がこの試験の受験者であることを覚えていて、試験日間近になると届けてくれますが、そもそもなぜ餅米の餅だったのでしょうか?

それは、経験があると思いますが、ご飯よりもお餅の方が腹持ちして働く時間内にお腹がすかない、つまり試験中にお腹がすかないようにというのがその由来です。

お餅に関するあるある話

話は別ですが、韓国では妊娠期間中に胎児にネーミングをつける習慣があります。思い思いに面白い名前やかわいい名前を考えてつけるのですが、そのひとつ「チャルトック」というネーミングも人気です。「チャルトック」=잘(よく) 떡(餅)、で意味は「流産しないでママにくっついててね」という意味です。

また、仲が睦まじいカップルのことを「宮合がよい(궁합이 좋다)」と言うのですが、「チャルトック宮合」とも言い、 ご縁のよいカップルのことを「チャルトックカップル」と呼ばれたりします。 チャルトックの性質のように夫婦仲良い伴侶でありますようにと祈願の気持ちで結婚式には必ず供えられてる縁起物でもあります、ご参考までに♪

受験応援に食べ物は必ず餅(찰떡チャルトック)だけに限る?

裸の餅、餅アイス、餅巻き、餅チョコレート、卵など

昔は、大福のようにお餅だけでしたが、今やアイス、チョコレートパイ、クッキー、ピザなどがあります。味は別として、共通点は中身に餅米がはいっていてペタペタくっつくということです。

この「ペタペタくっつく」ということに意味をもっている韓国の人々ですが、それには理由があります。

日本語では「受験に受かる」という言葉を「시험에 붙다.」といいますが、これを直訳すると「試験にくっつく」という意味になります。そのため、「くっつく」という言葉がつく食べ物=ペタペタするもの、ということになるわけです。

日本でもキットカットは「きっと受かる」、カールのおじさんは「受か~る」、トッポは「(試験)突破=トッポ」などなど、当て字での応援菓子がたくさん販売されています。それと同じですね♪

誰がそんなに応援してくれるの?

受験は一人じゃない、応援にかけつける人々

試験当日、受験者を応援するのは親や兄弟、塾の先生だけではなく、先輩後輩、地域市長、地区区長、奉仕団体、婦人会、町内会などあらゆる社会団体、加えて試験に遅れそうな学生を移動させるパトカー、白バイまで総出動して応援をしていますが、国民一人一人、社会、国全体が次の世代を、明るい社会を背負う世代へと心掛けているのです。

まとめ

韓国の受験勉強は、長期間にわたる家族で一つになって闘う戦争のようです。
なぜ、ここまで本人も周囲も二人三脚で頑張るのか…、それは受験で科挙制度でわかるように、受験によって人生が大きく変わるからです。一生のうち一度しかないチャンスをつかんでよい人生にするか、失敗になるのかの瀬戸際に立たされてるのと同じです。
そのために、小さい頃から様々なカリキュラムを取り入れた家庭教育が行われます。英語幼稚園、多読、週3回の塾通い、小さい頃から帰宅後学習をする。

要するに幼稚園に入る前から大学受験を意識して生活を営み、中学校は放課後補習、高等学校では朝から晩まで学校で勉強を重んじた生活が強いられています。

高校生になれば日のぼりを見る前に学校について、真っ暗になって帰家するパターンでのスケージュールで勉学に励みます、学歴社会を遥かに越えた超学歴社会で生き残るためです。

このこと自体が社会風潮であるため避けて通れないのが現状ですがそれが合わない方は最初から外れた生き方、学習、自学をさせてる方もいます。子供の素質素養を見極める能力は親の役割ですので、 子育て、子供の学校教育をどうするかは子供が生まれたら常に向き合い、子供の先を歩かず子供の眼をおく場所と同じ方向を向いて歩いていけるといいですね。

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