自分が韓国に住んでみたい!!と思って住んでみた経験から、同じく思う方がいらっしゃると思い住居編についてリアルな話をしてみます。
韓国の住居事情
居住の種類
韓国で住居スタイルには、一軒家、マンション、アパート、多世代住宅、ワンルーム、下宿、コシウォン、学校についてる寄宿舎があります。
一戸建て | 土地が高いこともあり郊外や地方が多い |
マンション | 日本でいうオークションのような高級マンション |
アパート | 日本でいう一般的なマンションのことでファミリータイプ |
ワンルーム | ひとり暮し用の面積のマンションで自炊可能、 日本と比較して部屋数が少なく小さな部屋 |
コシテル (コシウォン) | 低価格で1日から滞在できる簡易ルームで、 金額と宿泊期間に合わせて選択可能。 軽食が付いてる場合が多く、布団と私物のみで入居可能。 |
下宿 | 一戸建てを改造して主に受験生に一部屋賃貸する物件。 家主と共同生活で食事が付いてる場合が多い。 簡易家具がついてる場合が多いので布団と私物のみで入居可能。 |
寄宿舎 | 学校に併設されており、一人部屋か二人部屋かで賃料は安いが、 共同生活で自炊か外食。布団と私物のみで入居可能。 |
日本と異なる不動産契約
保証金制度って何?!
日本と同様に地元の不動産の仲介で入居するケースが多いですが、日本と大きく異なる点があります。多額の「保証金制度」です。
日本からの短期居住の場合でも賃貸の不動産契約する場合に必要な初期費用についてです。
- 日本の場合→現在の東京を基準にして礼金1ヶ月、敷金2ヶ月、1カ月分の賃料、仲介手数料、火災保険料
- 韓国の場合→保証金として大家さんが提示する金額(例えば:₩100万から始まります)と、月々の家賃支払
この、日本にはない「保証金」という制度は、日本人からすると少しやっかいです。
保証金とは、簡単に言えば”違約金“のことです。違約金を前払いしておくのです。日本でいうならば敷金に近いと思いますが、敷金ほど金額が低くなく、まとまった金額を預けることで月々の支払い金額は少なくなるというシステムです。日本と異なるので戸惑いますが、可能であれば現地の知人や信頼できる方の同伴があればいいと思います。
保証金と前払いする理由は、滞在期間中に賃料を滞納した場合や物件の破損があった等の場合に充てるためですが、一年未満の場合は違約金も発生しますので、クーリングオフについては必ず確認しておくことです!
「この家の保証金、いくら払ったの?」
「えっと、3億ウォンぐらいかな?」
(しゃちほこばる私…)、このようなセリフは国内人同士の会話ではよく聞く話です。
貯金を叩いてもそんな金額を前金として他人に預けるだなんて、ちょっとビビります。
でも、韓国の方にとって当たり前の制度なので仕方ないと思っているようですが、やはりここで親からのサポートを大いにもらう子供達も多いことから、親の経済力に左右されやすい貧富の差は、社会問題のひとつにもなっているようです。
もちろん、敷金同様に、契約期間中にそのような事がなければ、保証金は丸ごと退去時に大家さんから返金されます。
契約期間
が、ここで気を付けたいことは、契約期間です。韓国の場合、基本的に2年~です。
万が一、契約期間前に退去したい場合、即次に入居する人がいなければ、契約期間までの賃料は日割り計算で大家さんが保証金から差し引きます。つまり、違約金発生となるわけです。
反対に、予想外なことも起こりえます。
2年契約後に更新をしようと思っていたところで、大家さんが契約更新しないものだと勝手に思い込み、次の契約者を決めてしまっており、引っ越しせざる得なかったり…
その他にも、 不動産のあるある事情には驚かされます。
入居契約時に預ける保証金を資産運用をしている大家さんが多いため、運が悪いと保証金が返ってこないなんてこともなきにしもあらずです。
不動産仲介があったとしても、大家さんの人柄や借金状況等によって対応がまちまちですので、入居契約をする場合には、必ず大家さんはどのような方なのかを事前に確認されることをおすすめいたします。
日本からの短期居住者の多くの選択道
ざっくりではありますが、日本から留学や短期滞在など短期居住者が洗濯している居住先の選択肢をご紹介します。
種類 | 権利金 | 契約期間 | 家賃支払 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
ワンルーム | 多額の権利金(200万円、 月額は7万円前後) | 日本と同じくすべてがプライベート使用 | ||
考試院 | 権利金なし | 最短1ヶ月から 契約可能 | 月額支払 | 部屋はかなり狭く、壁も薄い。トイレとシャワーが付。洗濯機、干す場所は共同なので部屋干しになりこともある。 月額が低いので短期居住希望外国人利用が多い (窓がないのが基本で、窓がついてると月額が少し高め) |
下宿 | 最短1ヶ月から 契約可能 | 月額支払 | 多目的。学生も会社員もいる。トイレ、シャワーは共同利用。洗濯機は共同であるが、下宿先の洗濯干し利用が可能。大家さんが洗濯してくれるところもある。 | |
コシテル(考試 +ホテル) | 権利金なし | 最短1ヶ月から 契約可能 | 月額支払 | 部屋はかなり狭く 壁も薄い。トイレとシャワーが付。洗濯機は共同、干す場所も共同なので部屋干しになりえる。月額が低いので短期居住希望外国人利用が多い(窓がないのが基本で、窓がついてると月額が少し高め) |
学校の下宿 | 月額支払 | トイレー、シャワー、洗濯機、干す場所すべて共同利用 |
契約前に確認事項
どこの居住地を契約するにしても、事前に確認しておいたほうがいい事項についてまとめてみました。韓国の住宅事情は実際に住んでみるとトラブルが多いこともあります。物件見学の際に自らの目でも確認、大家さんに確認をしておきましょう。
- クーリングオフ
- 大家さんの事情(同居か、日中留守番の有無、緊急連絡の可能か否か)
- トイレの流れと水道、シャワーの具合、夏なら冷房機、冬なら暖房機
- 非常口の有無
- 前後の建物
- クレームが発生したときの受付先
- 部屋の換気具合
どこで見つけるの?
韓国ドラマを見ていると、とってもおしゃれな住宅や豪華な家具のある家が出てきますが、一般の方が住まう環境とは少しかけ離れていると感じますので、まずは、日本での感覚を信用せず、現地にて不動産をたずねて現物をみたり、大家さんとあって話してみることです。
大手検索サイト
韓国の不動産大手検索サイトがたくさんあるなかで、賃貸専門サイト「チクバン」(直部屋)の意味の(직방사이트)を利用される方が多いです。登録不動産が多いことと、登録物件数もNO1を誇っています。
日本からも探したりコンタクトを取ることは出来ますので、まずはこちらのサイトで韓国の家を見てみましょう。
不動産
住んでみたい地域があるとしたら、まずはその最寄り駅で降りてみましょう。駅周辺には不動産がたくさんあります。
韓国の不動産の特徴
韓国の不動産が日本と違う点は、チェーン店展開ではないということです。多くが熟年の女性が経営している不動産で、地元をよく知る人です。ネット上に掲載されていない地域の空き物権なども保有していることもあります。
不動産は時に、上記の写真のように隣々に店舗を構えている地域もありますが、どこの不動産がどのような物件を持っているかはわからない部分もありますので、根気強く、数件は回ってみましょう。
内見時に気をつけること
韓国の不動産で物件の内見に行く時は、ほぼ車です。安心して乗車して大丈夫です。
また、韓国の不動産は「検討します」が通用しません。内件に行き、少しでも気に入った様子を見せると、その後必ず電話で連絡が来ます。いいのか、よくないのか、はっきりしている国民ですので、回答は曖昧にはしないことがおすすめです。例え、断ったからといってねちねちはなく、その辺は実にさっぱりしています。
電信柱
一般的に電信柱に広告を貼ることは違反ですが、学生の下宿先の募集広告はついては特に違法とされていないそうです。学生用の下宿先を探すなら、電柱に張ってある広告も参考になりますので、ぜひ目を留めてみてくださいね。
また、留学先の大学周辺の電信柱や壁にも民間の下宿先募集の広告がかなり貼ってあります。
その他の方法
不動産や大家さんがインスタに物件を掲載していますので、直接連絡を取ることも可能です。
また、知人や友人が住まう物件に空きがあったり、本人が帰国や引越しを機にその後の入居者探しをしていることもあるので、周りの人に聞いてみると物件情報が貰えるかもしれません。
韓国のおもしろ不動産文化
居住者がいても内見が可能?!
内見に行くと、びっくりすることがあります。
日本の場合は、入居者がいる場合は内見が出来ませんよね。韓国では、入居者がいる場合でも、退去日が決まっている、退去予定があると大家さんや不動産が把握した時点で、入居者がいても内見が可能です。
不動産と大家さんの立場としては、家賃収入が滞ってほしくないため、退去者の後に即入居してもらえることが望ましいです。そのため、内見希望をすれば、入居者に許可をとり、在宅だろうが在宅でなかろうが、中を見せてもらえます。
がっつり他人のお宅にお邪魔しているので、プライベート丸見えですが、その辺、入居者も理解しているので、私物に触れなければ部屋をぐるぐる見て回ることは構わないのです。
私がびっくりしたのは、内見しに部屋に入ったら、居住者が寝てました。(汗)
不動産は事前に電話で伝えてあるから大丈夫、と笑っていましたが、入居者もまったく起き上がってくる様子もありませんでした…なかなか日本では遭遇しない経験ですね。
交渉が可能
地域に根付いた不動産が多く、大家さんとは長い付き合いであることから、交渉がしやすい立場にあります。家賃交渉はもちろんのこと、備え付け家具が欲しい、備え付け機器の交換など、だめもとでお互いに交渉を持ちかけてみましょう。
不動産はひとりひとりが個人事業主
日本の不動産は事業所の営業時間が営業活動時間ですが、韓国では不動産担当者と個人の携帯電話番号とカカオトークIDを交換します。会社用とプライベート用という使い分けはなく、会社もプライベートもごちゃまぜです。それくらいに携帯なしではビジネスが出来ない韓国社会の特徴があります。
そのため、連絡は年中無休可能です。例えば、内件希望の連絡をして、その方が有給であったとしても時間と内見条件が合えば、自家用車に乗せて、内見させてくれることもあります。それは経営者であっても雇用社員であっても対応は同じです。完全なる個人と個人のつきあいとなるわけです。
これは、不動産ばかりでなく、韓国全体的に共通していることですが、カカオトークや携帯電話番号SNSを仕事用でもプライベートも一緒に使用するということは、透明性のあることの表れです。仕事中でも家庭からの連絡、友達からの連絡も電話を取ります。かえって、家庭にいても仕事の連絡は欠かさず取ります。これが韓国特有の透明性です。
まとめ
一度は、いゃいゃ、二度も三度も生まれた故郷を離れて住んでみたいと思うことは誰にでもあります。住んでみたいと思うけれど…という思いに留まるだけで、なんも実践には至らず、ずるずると時間は流れてゆき…自分がそのようなことを考えたことがあったことさえ、うっかり忘れつつ生きている日々です。
無理をせず、私以外の方へ不便や被害を与えずに行けるとしたら、飛行時間がいちばん少ない韓国は魅力的。何かがあってもすぐ戻れること、健康保険が日本と同じく皆保険であること、病院も待たずに診察をうけられることなどを総合的に考えればと思って4ヶ月ほど住んでみましたが、住んでみて出来た経験が実に多かったです。
年齢問わず、この貴重な経験は人生において宝物になりました!もしも、私のように同じことを思っている方がいらっしゃるようでしたら、躊躇せず、恐れずぜひチャレンジを!