第1話では、ハングル文字の誕生説と生みの親である世宗大王についてご紹介しました。その話に引き続き、なぜハングル文字となったのか、なぜこの音になったのかについて、そしてこのなぞを解くキーとなる「陰陽五行説」についてご紹介します。
ハングル文字と陰陽五行説
陰陽五行説とは?
「陰陽五行説」って、聞いたことありますか?
東洋先占術や東洋医学などでこの思想が活用されているとは耳にしたこともあるかもしれませんが、世の中の万物には「陰」と「陽」、木・火・土・金・水という「五行」で成り立っているという思想のことです。
個々で言う「陰陽」とは、2つの対となる物事のことをいいます。
例えば、「太陽と月」なら太陽が陽で月が陰、「奇数偶数」なら奇数が陽で偶数が陰、「男女」なら男性が陽で女性が陰、「表裏」なら表が陽で裏が陰のようなをあらわしています。
そして「五行」とは、物事は5行で分類することが出来、意味を成します。
この「陰陽五行説」の思想は韓国生活文化にかなり浸透しています。
例えば、下記のようなものがその一例です。
- 伝統チマチョゴリのセットンチョゴリ
- 韓国の国旗
- 石焼ビビンバの具材
余談ですが、私も母から陰陽五行説で様々な生活文化を教えてもらっています。
その母も祖母から日々教えられたと言っていました。
ハングル文字にもこの「陰陽五行説」の要素が多く含まれているのですが、どうやってこの陰陽と五行を文字に盛り込んだのかを見ていきたいと思います。
陰陽五行説「天地人説」
天地人説ってなぁに?
ハングルの母音は、「陰陽五行説」にある「天地人」という思想をかたどって創られたといわれています。
具体的には、まるちょんは天、つまり太陽や空、横棒は大地、縦棒は人を表しています。この3つがそれぞれに組み合わさってハングルの母音となっています。
組み合わせ ①天と人
では、この3つの記号の組み合わせ方をご紹介します。
天と人の組み合わせでは、太陽は東から上り西に沈むため、人の右にある太陽は陽母音、人の左側にある太陽は陰母音としました。
そのため、「天+地」で創られる文字は4つあります。
「아」「야」「어」「여」です。
そのうち、「아」「야」は陽母音、「어」「여」は陰母音になります。
組み合わせ ②天と大地
天と大地の組み合わせでは、大地よりも上にある太陽は陽母音、大地よりも下にある太陽は陰母音としました。
天と大地の組み合わせで出来る文字も4つあります。
「오」「요」「우」「유」です。
そのうち、「오」「요」は陽母音、「우」「유」は陰母音になります。
組み合わせ ③大地と人
最後に、大地と人の組み合わせで出来る文字は、ひとつしかありません。
「ㅢ」です。これは得に陽母音や陰母音という区別はない文字です。
陽母音と陰母音の違いってなぁに?
組み合わせの①と②で、それぞれ陽母音と言われる文字と陰母音といわれる文字があることを説明しました。
この違いは、「発音の音」に違いがあります。
陽母音は「아(a)」「야(ya)」「오(o)」「요(yo)」のように明るくて軽やかな音、
陰母音は「어( ɔ )」「여(y ɔ )」「우(u)」「유(yu)」のように暗くて重たい音、
となっています。
本日の学習ポイント
本日の学習ポイントをまとめました。
最後までお読みいただき、コマッスムニダ~次回は、「第3話 文字・文の構造」 についてご紹介します♪