色々な国へ出かけてみると、その国のどこかに日本人が密集してタウンを作っています。アメリカにリトルトーキョー、リトルイタリア、リトルチャイナ、リトルコリアのように世界の人々に共通していることですが、韓国には少なからず日本人のコミュニケーションの場や密集して暮らす地域があります、ご紹介します。
ナザレ園
その昔、韓国人と結婚をした方で終戦後韓国から日本へ戻らず、現地に残った日本人高齢者のための福祉養護施設があります。「ナザレ園」です。韓国の慶尚北道に慶州市という地域にあり、現在、日本生まれの生粋の日本人女性14名が暮しています。
「ナザレ園」は、1972年10月1日、日本基督教団の後援で設立されました。身寄りのない日本人高齢者を保護、抹消されてしまった国籍、戸籍を取り戻し日本へ帰国することを支援している団体で、入居者たちは毎月送られてくる生活費で暮らしています。
彼女たちは韓国語と日本語交じりの会話を通して韓国での生活を営んでいますが、彼女らの願いは余生を故郷に帰って過ごすことであるといいます。ソウルからでも釜山からでもアクセスが出来、韓国人も、日本からの一般訪問者やボランティア活動で訪れる方も多くみられる場所です。
芙蓉会(在韓日本人会)
1946年に設立されました。日本に留学、徴用されていた朝鮮人の男性と結婚をして韓国へ渡り、終戦後に大部分日本人は本国である日本へ帰国していますが、韓国の男性と結婚していた女性たちは帰国せず、韓国に残留して今にいたっています。
その後、夫と死別、別れたり、子供を引き放されたりして、孤独で苦しい生活を送った人々が多くいました。帰国もままならず、忘れられようとした女性達のために発足した会です。今は会員の高齢化が進み、会員は10名ほどですが、日韓での協力を呼びかけ、助け合っている人々がいるようです。
2017年11月12日放送「こころの時代102歳 韓国に生きる 園田房子」を基に作成された番組が放映されたようです。
ジャパンタウン、ドンブイチョンドン (東部二村洞)
韓国に駐在している日本人会社員、その家族、留学生らが密集している地域として知られているのが”ドンブイチョンドン“です。日本人を対象に運営する食堂、不動産、病院、美容院、日本料理店、日本食材の専門スーパー、日本人の住居のための施設が揃われており、ソウルのジャパンタウンとして根付き始めた時期から15年が経とうとしています。
ソウル日本人学校
ソウルに 1972年に設立された日本人学校があります、幼稚園から中学校課程までとなっており、授業では日本人子女の教育が行われています。デジタルメディアシーティー地区に位置された外国人学校です。
原則的には日本に確実に帰国予定のある日本国籍、日本永住権の所持者のみの入学が限定されています。日本人学校初等部、中等部を卒業しても韓国国内では卒業資格が認定されてないため、国内入学の場合は外国人留学生として該当する高等学校校長の許可を得ての入学が可能となっています。
多くの日本人はドンブイチョンドンに居住してこの学校に通っていましたが、最近は学校の周辺である麻浦区 サンアムドンに居住エリアを移す方も増えているようです。
ソウル日本人会(SJC)
ソウルにある日本人会です。1966年日本人会が設立され、その後1997年ソウルジャパンクラブ(SJC)が発足しました。韓国最大の日系コミュニティで親睦交流と社会貢献を志向することを目的に活動している団体です。日本に駐在員事務所とその家族を中心に法人会員が400社、個人会員が1650人を誇る、大きな組織です。現地情報の発信をしたり、同好会で交流をしているようです。
九龍浦にある日本人家屋ストリート
慶尚北道浦項市南区にある、日本海に面した漁業の町ですが、1930年代に様々な目的で移住して来られた日本人が住んでいた家屋を中心に造成した街が、その当時生活感を蘇らせ歴史を感じさせてくれる空間として再活用されています。
決して大きなタウンではありませんが、日本の独特な歴史的雰囲気を味わえるというコンセプトとして整備されています。現在、そこに住んでいる方々がカフェやゲストハウスを営み、サービス提供していることもあり、大勢の観光客が訪れる観光地として知られています。
日本人世話会
終戦後、1945年9月1日釜山を中心に慶尚南道周辺に居住する日本人同士が相互連絡と協調をはかり、有志で設立された団体ですが、現在はほぼ活動がなくなりました。
釜山日本人学校
1975年10月1日に釜山日本人会によって釜山日本人学校が開校されました。2001年に各種学校に認可を受けています。入学資格は日本人、日本永住権、日本定住権を所持した韓国人、父母のどちらかが日本人であることです。
日本の文部科学省が定めた学習指導要綱に準拠した各教科と道徳、特別活動、韓国語、英語などの教育が盛んにおこなわれています。
釜山日本人会
釜山日本人会とは、釜山近郊の街に住む、日本人の方で構成された会で、釜山で家族的な雰囲気で人気のある日本人会です。暮らしの情報を発信したり、育児サークルや趣味活動、クリスマス会やボーリング大会などの親睦会、日韓交流など様々なイベントを開催しています。
唯一の日本の寺、東国寺
東国寺は、韓国全羅北道群山市にある曹渓宗の寺院。敗戦前は、日本の曹洞宗に属しており、登録文化財に登録され機能している唯一の日式寺院であります。
ソウル日本人教会
ソウルにある伝統的な日本人プロテスタント教会です。
まとめ
その他、 日本語スターディである韓日交流会、ソウルに在留している留学生集まりであるソユモ、モアモア韓日交流会などの小さな団体が、あちこちにあります。
日本食材専門スーパーへ行けば、コミュニケーション広報誌が置かれており、仕事探しや病院、美容院、中古品売り買い、譲り受けなどがあります。お隣の国で日本人がどのように暮らしているかを関心を持ってみてみるといいですね。